new season

えらく体調崩しての黄金週間。 他日は過ぎるに任せるを呑むも、予定詰めた5日ばかりはと、寝床から這い出す。 東京ビックサイト、COMITIA 80。 どうにも言うこと聞かない身体が出掛けるのを渋って、過去最大規模での開催とあっても、もう知人のブースを周る…

残像標的

後から得た情報に、いつだかの目の端で捉えていたぼんやりに焦点が合うことがある。 とは言っても、何時・何処でまでは覚束ないまま。 内容知ったばかりに、遭遇しているはずの地点を、記憶の中に慌てて探すことになる。 趣味が趣味だけに、本やレコードとな…

開閉回廊

季節惜しんで掲げる画は、再びに先の桜。 もはや、景色には八重ばかり。 12日。 入学/新学年に合わせてということもないだろうが、街に改装、移転、閉店の知らせが目に付く。 用事済ますにも、目的の店舗へ延々迂回して案内されているかのよう。 移動するば…

花天井

3月29日。 大小便を催すは、あやかしの来訪を告げる…と聞くが、電車内で乗り合わせたか、調子が悪い。 トイレを中継に、機材、忘れ物、展示の様子…と、拾って周る。 花に浮き立つ上野。 打ち合わせに先んじて、ここの印象から始めようと待ち合わせた、法隆…

経過と報告/硬貨と広告

13日。 列車内に、イヤホンに歌詞カード片手で唄っている老人。 知らず声が伸びるのか。 この節は…“霧の摩周湖”ですか? 刷り上ったフライヤーを受け取る代官山gift_lab。 手にした仕上がりは、レイアウトで眼にしていたのとは異なるモノクロが、予期せぬ柔…

夜が始まる

2日。 ミーティングまでの時間に周る、西荻窪。 ニヒル牛2、おおのももよ‘mori no kioku’展。 押入れめいたスペースの奥に、ビロードの夜が広がる。 地上には、白く儚げなぬいぐるみの動物たち。 陽を見ることのない国だろうか。 ただ、その国ごと別な場所…

坑道講堂

昨晩のこと。時間までと書店に立ち寄れば、ジュディ・パドニッツ“空中スキップ”の邦訳が出ている。 ケニー・リンク“スペシャリストの帽子”解説で柴田元幸が触れていて気になっていたのだけれど、これも奇譚ブームの恩恵か。 並べて平積みされている、訳者・…

毛羽立ち

15日は茅場町から。 川を渡ってGallery≠Gallery、片岡雪子 展。 朽ちていくものへの偏愛こそ惹かれるのに、前に眼にした時までに、作品の目指すところが創作であるのか再現であるのか戸惑うようにもなっていた。 そんな勝手な思いも払拭される空間。 更なる…

落栞

昨日。 猫が居眠りしている。 日々の馴染む佇まいの神楽坂のまんじゅう喫茶にて、写真家の中島博美さんと、漫画家のクマリネさんと会合。 中島さんに至っては初対面のこの場で、するすると話が交わされている。 切り出した言葉を、誰かが拾ってくれると思え…

壜の底

白々と空いた間隙は、言葉を放った端から予定で埋まっていく。 26日。 出来上がった原画、音源を、commune discさんに受け渡す下北沢。 世間話から、リリースに纏わるあれこれへと話題は繋がっていく。 自分たちの興味から始まって、イベントの計画まで。 こ…

シンハー

昨日のCD屋のバーゲンで買ってきた、PART TIMERのアルバムを聴きながらこれを書いている。 パーカッションや女声をささやかに纏った、重心の低いギターの爪弾き。 愛らしい表情を見せるフォーク。 それがグリッチ、プロセシングで撹乱されているのだが、‘…

指先確認

三日も過ぎれば、日付/事柄の順列を前後して記憶していようが、支障ない気がしてくる。 そうではあっても、19日のこと。 微妙に景色が記憶と異なる久々の商店街を抜け、ROBA ROBA cafe、“JOURNEY”maggie and tattaka展。 tattakaこと高橋さんの、自在とする…

黄断

アメフラシが雨を降らすのだとて、海の底にあっては、雨滴の処在もつかめまい。 9日。 細々と煩わされることに調子悪く。 師走の雨だろ。 あれこれ取り零しながら進める足。 路面に標もなく、塗装中のビルを5階に上がる。 PRISMIC GALLERY、中村竜治 展。 …

バラを作る

紙の断ち切れた先が奈落ではない。 その縁の断面、毛羽の感触が、別の場所へと繋ぐ。 24日青山。 clementsalon workshop、sai“surroundins”展。 羽田野さんに薦められた空間は、美容院の一角に設けられたギャラリー・スペース。 坊主頭の僕は、知らずかしこ…

ネクスト・フェイズ

昨日。 製本家の羽田野麻吏さんとその作品に会いに、吉祥寺 PARADA“手のなかの他處”展。 駅から商店街抜けてポツリポツリと踏む足に、辿り着いたスペースが応えてくれる。 カフェ奥にある展示空間が、本来地下にあったのを並べて配したみたい。 降りて入るか…

ドロップ/ドロップス

18日。 内部を取り払った教会のような佇まい、GALLERY HIRAWATA。 作家の眼に特別な空間と映るからか、いずれもがスペース目一杯の展示。 足を運ぶ度に圧倒される…今回にしてもがまた。 阿部佳明“愚者の舟”。 タイトルを借りたボッシュ作品の模写を導入に、…

影踏み

16日。 人身事故のため、乱れるダイヤ。 ‘快速’とありながら、じりじりとしか進まない電車。 何者かに襟首を…いや、車両ごと掴まれているようだ。 スローダウン…呪い?鈍い。 阿佐ヶ谷にて、communediscのaenさんと打ち合わせ。 場所を西瓜糖としたのは、展…

収穫祭

11日。 出鼻挫く強い雨に、予定端折って。 翌日の手土産の用意に、学芸大の洋菓子店。 さすがの老舗からか、広いフロアに引っ切りなしの人足。 注文・会計に待ちながらも、皆表情が曇らないのは甘味の力か。 駅前の書店で漫画家 田中六大主宰のミニコミを見…

リモデル

昨日は、展示の事後処理に千空間。 やはりと落ち着く空間で、仕事早々に切り上げ、話し込むことしばし。 開催中の中村明子 展、内田百輭世界のミニチュアみたい。 そんな連想も、新たな話題を伴ってくる。 帰り際に、非常に印象的な作品の作家に紹介され、ま…

ブリキの拳銃

昨日も、まずは帯留制作に備えて、人と会う。 きっぷの良い当たりを前に、始終リードしてもらっていたようで。 先行き如何は措いても、話が出来たことで満足だったかも。 溜池山王に居るのだからと、覘くArt Space by Fuji Xerox。 “新収蔵品からの展示”を最…

フレイマー・アンフレイマー

ここのところは、出先で喋るとなると、‘フレーム’について水を向けている。 それが、その都度話しながら考えを進めているものだから、きっと切れぎれに断片をばら撒くばかり。 拾い繕わされる相手には、苦労掛けていることかと。 26日、クマリネさんお薦めの…

筆跡/等高線

探している数枚がために、機会ある毎に専門店、コーナー仕切りに分け入る、ブラックメタル。 今日にしてようやっと1枚見出すも、バーゲン箱中に。 一向に見付からない他のものにしても、既にタイミングは逃がしているんだろうな。 DEAD REPTILE SHRINE、URF…

楽日

昨日は自らの言に従って、啓祐堂に寄るが道筋。 開催中の羽田野麻吏さんのルリユール展。 ルリユールとは、本の解体・再構築とも解したのだが、どうだろう。 切り出された鉱石であるかのように、表紙が光を帯びている。 ならば、本文もまた世界の断片か…との…

「植物文様」展仕舞い

‘予定’は立てられたことでシュミレーションとはいえ履行が済んでしまい、もうそれ以上にはなぞることなど出来ないんだろう。 出掛ける前に組んだ予定を、帰りにはめちゃめちゃに上書きしていたことに気付き、唖然とするぐらいだから。 昨日が“植物文様”展 最…

象の背、亀の背

ここのところ‘差異’についてばかり話している気がする。 僕の興味がずっとそこを向いているのだから、当然ではあるけれど。 昨日は、友人に依頼した作品撮影。 ながらも、ギャラリーに向かう前に覗くは中古盤屋。 知人とも遭遇する店内で見つけたのは、なぜ…

一夜祭

9月27日。 紙の買出しに駅へ。 雨に泣かれて自転車使えず、バス移動。 が、みるみる陽が射し晴れ渡り、帰りには用心も無駄に。 久々に見る車窓からの風景は、すでに何度も改訂を重ねているようで、記憶との比較を強いられる。 9月29日。 夕からの予定前に、…

塑像

往きの電車での親子。 図鑑の中から飼いたい鑑賞魚を選び出し、指し示す娘。 ‘自分が不快なものを眼前に突き出されたらどう思う’と、応える母。 魚嫌い? 喋っていた。 gift lab、drop around、千空間と、向かう先々で。 場所、学習、技術、指向性、一般、プ…

同窓連

昨日、Gallery HIRAWATA、吉田有紀 展。 光が球体に纏わる現象として、物質感を持って描かれている。 距離を得て見なければ失われる物質感。 注意がそこへと向かうというのは、なにより、空間に呼応するような巨大な画面が羨ましいからか。 身近なところから…

うつろいのさま 序

会場設営を後日再構成して記す。 って、何を作り得ようというのだか。 9月11日。 午前から始める作業は砂を集めるかのごとく、散り散りは一つところに定まらず。 遅くになってようやっと、塵山の頂に着地点発見。 昼に食したのは、赤/黄/黒/白から2色を選…

ドクトル・ベクトル

9月5日。 木部与巴仁さん、上村美保子さん、JIGENさん、大熊亘さんとのイベントに向けてのリハーサル。 2つの声、2人の奏者、2つの視点。 実際の会場で編まれたラフは、完成にはまだでも、蛇行するレールのような姿を見せている。 えっ、パフォーマーで…