2007-01-01から1年間の記事一覧

展示案内

“オルフェ”や“殺しのドレス”…いや、どんな映画でも構わない、鏡が現れる画面に覚える違和感。 それはもちろん、スクリーンを越えてまではこちらを映して返さないことからなのだけれど、鏡の姿を目の当たりにした驚きのようなものも感じなくはない。 常ならば…

触れるもの皆、塵芥と崩れ去る

時折、文章が継げなくなる。 必要のあるやなしに限らず、紙の上、画面の上に次の文句が置けない。 元より言葉が、産まれてからこの方、身に集めてきたものだから、離れることもあるんだろう。 うん、遅々たる更新の言い訳のようにも聞こえるだろう。 10月4…

軋轢を踏んで登る

11日。 小出由紀子事務所、オズヴァルド・チルトナー追悼展。 広い空間ではないけれども、対面にぽつりぽつりと2点のみ。 どれだけ描くことに執着があったか判断付かないドローイングが、描き続けられてきた中で定点観測とも映る。 作品集の繰る頁が、天候…

遊園地まで徒歩何分?

7日。 自転車で行ける距離に展示があるというのは、それだけでも嬉しい。 他にも自転車で行ければと思うのが、輸入/中古レコード店、ライブ・スペース、美術館…あるにはあるのだろうけれど、望み始めたら際限がない。 茅ヶ崎kalokalo house、ナスマサタカ“…

点線

放した犬の帰趨を気にしたところで、仕方がない。 カード形式の図鑑の一葉を引き抜いたかの仕上がりに気圧されて、何につけてもフライヤー撒き。 実際のところの目的は、仕上がった額装の受け取りに出掛ける8月7日。 まずはデザインしてくれたgift_labに感…

個展案内

書肆、図書館に居並ぶ本の中から、私が抜き出し開くものは僅かばかり。 多くは、書架で背を晒すのみ。 繰ることのない頁の圧倒的な量を思えば、そもそも開きではなく本の背が、視線の受け口なのかもしれない。 壜の口から、ラベル裏の印刷を読むかのようなこ…

漂着

7月30日。 制作に籠る毎日が続いていると、たまの外出の機会に、つい予定あれこれ連ねてしまう。 肝心の用事は、額装の発注に六本木。 展示では拵えることもなくそのまま作品掲げることが殆どなのだけれど、仕様選ぶ楽しさに、なんでも縁に収めてみたくもな…

顛末観光

既に出ている結果へ向かって、経過を辿り直すのは儚い。 が、それも自分の日記不精ゆえのこと。 7月12日。 メールでは既にイベント告知発信しているが、フライヤーの刷り上りはこの日。 ちょうど作品制作に素材仕入れの必要もあって、早速にも取りに出掛け…

Linus' Blanket Society #02

この雨では、今日はもう誰も来そうにない。 暇に飽かして、好い加減な唄を一くさり。 昨日の出来事が口を吐いて出て、ついと詞に乗る。 出たばかりの本を携えた誰某が訪ねてきて〜一緒に夕飯でもと出掛けた先で〜。 …ああ、くだらない。 くだらないが、ふふ……

チャンス・オペレーション練習帖

文面は後日…。

高架下揺籃

11日。 電車の着いた席の隣で、イアホン共有する二人組の会話。 一方が他方の趣味に興味覚えてのことらしい。 聴こえたのがヒップホップで、君は歌詞を追っているのか、音をなのかと粘っている。 ‘趣味じゃねぇな’。 ‘あっ、そう’。 …で済む話だろうに。 貯…

ハードル走

調子の上がらない5月を暗雲と決め付け、抜き去る駆け足。 5月27日。 久々出会うN.Y.在住のsawakoさん目当てに、宮城から出てきていた友人と向かうは、川縁に間口を開いたカフェ。 combine、“カフェイン・チルアウト Vol.13”。 入場早々に見付けてもらい、…

rotae周辺

モズは‘百舌’、声色が上手。 ウグイス、メジロ…これはオナガの鳴き。 いえいえ、物真似ではございません。 その嘴で採取した音で以って、籠を編んでおります。 折角の獲物を枝に刺すのも、眼には見えぬ籠の目印かもしれません。 ざわめき凪ぐ季節のための音…

好奇針

13日。 さして距離もなかったはずと、1つ先の鎌倉駅で降りて、目的地のある北鎌倉までぶらぶら歩いて戻ることにする。 日曜の観光地の賑わい…一歩脇道に逸れれば疎らになる、それまでの。 この頃でも、ウグイスの声が散々に聞こえる。 向かうは葉祥明美術館…

new season

えらく体調崩しての黄金週間。 他日は過ぎるに任せるを呑むも、予定詰めた5日ばかりはと、寝床から這い出す。 東京ビックサイト、COMITIA 80。 どうにも言うこと聞かない身体が出掛けるのを渋って、過去最大規模での開催とあっても、もう知人のブースを周る…

残像標的

後から得た情報に、いつだかの目の端で捉えていたぼんやりに焦点が合うことがある。 とは言っても、何時・何処でまでは覚束ないまま。 内容知ったばかりに、遭遇しているはずの地点を、記憶の中に慌てて探すことになる。 趣味が趣味だけに、本やレコードとな…

開閉回廊

季節惜しんで掲げる画は、再びに先の桜。 もはや、景色には八重ばかり。 12日。 入学/新学年に合わせてということもないだろうが、街に改装、移転、閉店の知らせが目に付く。 用事済ますにも、目的の店舗へ延々迂回して案内されているかのよう。 移動するば…

花天井

3月29日。 大小便を催すは、あやかしの来訪を告げる…と聞くが、電車内で乗り合わせたか、調子が悪い。 トイレを中継に、機材、忘れ物、展示の様子…と、拾って周る。 花に浮き立つ上野。 打ち合わせに先んじて、ここの印象から始めようと待ち合わせた、法隆…

経過と報告/硬貨と広告

13日。 列車内に、イヤホンに歌詞カード片手で唄っている老人。 知らず声が伸びるのか。 この節は…“霧の摩周湖”ですか? 刷り上ったフライヤーを受け取る代官山gift_lab。 手にした仕上がりは、レイアウトで眼にしていたのとは異なるモノクロが、予期せぬ柔…

Linus' Blanket Society #01

この頃になっても、まだ寝床から冬掛けを1枚減らすことが出来ない。 寒さぶり返す日も…とは言い訳で、少々重くも感じ始めてはいる。 それでもなお手放し難いのは、一季節掛けて馴染んだ布団の感触か。 春の大風が引き剥がしてくれるだろうと待ちつつ、もう…

帯留展

春の撹乱。 舞台の転換を図るかに、大風が前の季節の名残を吹き浚っていく。 勘違いもあるのか、春の先鞭までもが薙ぎ払われて。 息吐く凪に表に出れば、景色は坊主。 それでもしぶとく空枝に残る小さな白い花に、目が留まる。 鈍く光るを、何の花かとよくよ…

夜が始まる

2日。 ミーティングまでの時間に周る、西荻窪。 ニヒル牛2、おおのももよ‘mori no kioku’展。 押入れめいたスペースの奥に、ビロードの夜が広がる。 地上には、白く儚げなぬいぐるみの動物たち。 陽を見ることのない国だろうか。 ただ、その国ごと別な場所…

坑道講堂

昨晩のこと。時間までと書店に立ち寄れば、ジュディ・パドニッツ“空中スキップ”の邦訳が出ている。 ケニー・リンク“スペシャリストの帽子”解説で柴田元幸が触れていて気になっていたのだけれど、これも奇譚ブームの恩恵か。 並べて平積みされている、訳者・…

SOUND ROOM VOL.6

季節の隙間、妙な天候が続いています。 晴天に外出を決め、急な雨に追われるようにして帰ることも。 それどころか、僅かな間隔を置いて、雨の柱が点在している。 横断歩道のごとく、だんだらに塗り分けられた路面。 うまくすれば、避けて通り抜けられるかも…

毛羽立ち

15日は茅場町から。 川を渡ってGallery≠Gallery、片岡雪子 展。 朽ちていくものへの偏愛こそ惹かれるのに、前に眼にした時までに、作品の目指すところが創作であるのか再現であるのか戸惑うようにもなっていた。 そんな勝手な思いも払拭される空間。 更なる…

落栞

昨日。 猫が居眠りしている。 日々の馴染む佇まいの神楽坂のまんじゅう喫茶にて、写真家の中島博美さんと、漫画家のクマリネさんと会合。 中島さんに至っては初対面のこの場で、するすると話が交わされている。 切り出した言葉を、誰かが拾ってくれると思え…

TETSU INOUE+TAYLOR DEUPREE "Active/Freeze"

羽田野さんとタルコフスキーの映画“ストーカー”の話題になり、思い出したアルバム。 微妙にずれたそれぞれのフィールドで活躍中の2者、2000年のコラボレーション。 そうは言っても、聴き得た両者の他音源にここでの感覚を覚えたことはなかったのだから…

壜の底

白々と空いた間隙は、言葉を放った端から予定で埋まっていく。 26日。 出来上がった原画、音源を、commune discさんに受け渡す下北沢。 世間話から、リリースに纏わるあれこれへと話題は繋がっていく。 自分たちの興味から始まって、イベントの計画まで。 こ…

冬句

制作に籠っていると、口数は減る。 この1月の項の閑散たるや。 一方で連日、遠くにある人と言葉を交換して夜更かし。 深々と字句が降り積もるようで、楽しい。 懐かしくも感じるのは…深夜に集いし学生の頃や、話題尽きず帰りそびれるギャラリー…との連想か…

シンハー

昨日のCD屋のバーゲンで買ってきた、PART TIMERのアルバムを聴きながらこれを書いている。 パーカッションや女声をささやかに纏った、重心の低いギターの爪弾き。 愛らしい表情を見せるフォーク。 それがグリッチ、プロセシングで撹乱されているのだが、‘…