そこからでは見えないもの、そこからでしか見えないもの

8月29日。 朝起きると足先が痺れていて、背中の痛みは尚更。 洗面台に見る顔、首には、発疹が酷い。 せめて前日はと、ゆっくり過ごしたのが仇になったか。 堰き止めていた疲れが、どっと噴き出した形。 暑さにも追い立てられて家を出る。 乗り換えの大船駅…

先に語られることの顛末

9月1日。 個展に備えて、画材の買い出しに向かう町田。 買い物自体は簡単に済むと考えていたので、つい予定を加える。 横浜線で駅二つ隣の淵野辺。 陽を遮るものがない道を20分歩いても目的地が見えないことに、 ついでとは言わないなと苦笑い。 地図を頼…

珈琲、休符、珈琲

8月14日。 まず鎌倉に出てクラウド・ビルディングに向かう。 木木のオーナーに挨拶して、29日北鎌倉での催しのチラシをお願いする。 そのまま、北へと趣向が向かうもの作りの話。 陶芸、刺繍に紙の仕事。 web検索では当たらない、実物に触れることで出会い…

渋谷小屋

7月3日。 レコード屋が撤退する街、渋谷。 連日のように閉店セールが行われているのだから、出発に気が急くけれども、 用心し過ぎた準備に食われて、レコード繰る猶予は潰えている。 それでも、探していたCLAUDE CAHUNの写真集ばかりは洋書屋で手にして、 …

美術の仕事

開いて、 畳んで、 箱に仕舞う。 シンプルな作業の中に、 良し悪しは別にして、経験や資質が表れる気がする。 部屋で過ごす。 家で暮らす。 世界にある…のと同じように。 開いて、畳んで、仕舞う。 * そんなことに気付かせてくれる搬入仕事。 考えまで簡潔…

夜の辿り着くところ

空気の冷たさに、人と人の空隙を錯誤することがなさそう…それが、冬が最も好きな季節であることの理由の一つ。 だからか、暖かい心持ちで過ごしていると、不安も訪れる。 隣人に手を触れることが出来そうなのは、きっと僕の錯覚だ。 12月4日。 祝いの品にと…

語る疼痛

医者に行っても尾を引く歯痛に、鎮痛剤漬けの数週間。 招待もらうまで、知らなかったTapeの来日。 JOHANは2月にSTEN SANDELL TRIOのメンバーとしても来日しているから、意外に近所で活動しているんじゃないかと錯覚する間隔。 近所であったとしても、機会逃…

触れる端から消えて行くもの 附記

伊出立前に抱えていたはずの執着が、日本に戻ってみると、憑きものが落ちたかのように抜けていることに気付く。 10月2日。 下校する学生の波を遡るようにして向かう和光大学、アンデパンダン展。 これを目的と訪ねた佐藤実さんの作品は、微かな現象を切断面…

触れる端から消えて行くもの 3

22日。 地図を見ていたらVia Fabio Filziという通りに聞き覚えがあり、なにかあるやもと午前中にミラノ中央駅から歩いてみることにする。 中央駅は、通勤通学観光での賑わいにボロボロになりはしないかと不安になるほどの壮麗さ。 ほとんど、権謀渦巻く御殿…

触れる端から消えて行くもの 2

20日。 中古レコード屋があったはずと聞いて、足を伸ばすナヴィリオ運河沿い。 催して仕方なく入る駅の有料便所…愛想の良いおばさんが、それこそ我が部屋のごとくきれいに飾っていて、それはそれで利用の甲斐はあったかも。 チョコかキャンディも貰えるんだ…

触れる端から消えて行くもの 1

ふと、昔好きだった人の名前を検索してみたら、一件の結果に当たる。 頁に記載されたプロフィールは確かにその人のもの。 ただポートレートに写る姿には思い当たる節がない。 そもそも顔を思い出せずにいたのだけれど、全くと言って良いほど記憶に繋がらない…

星に願いを

線も言葉も尽きるまで描いて、意識が途切れる日が続いている。 25日。 この日も15時までは制作…それから急いで出掛ける。 猛暑やなにやらにのぼせる頭で、電車の中で出来る作業は早々に済ませ、あとは一眠りと決め込むが、意識騒がしく叶わない。 向かうは、…

シンクロナイズド・シンキング

ディレイが効き過ぎているこの日記。 さりとて、リアルタイムで実況などは出来ないのだから、時差もまた味…とは、また言うに事欠いて。 呆れてやってください。 4月22日。 Tシャツの試作確認と目論み事に集う飯田橋。 はい、そうです、久々にTシャツ新柄…

由来と行方

うちから見て最寄りと呼べそうな駅は3つある。 いずれもに自転車で30分ほど掛かるのだから、最寄りはないのかもしれないのだけれど。 その内の1つには、駅前に卵焼き屋が。 寿司屋等料理店への卸しが主なのだろうけれど、工場みたいな軒先で厚焼き卵を小売…

懐柔総進撃

4月4日。 マネージメントとの最強タッグで向かう、錦糸町のとある企業。 線を描き暮らすためには、可能性の分岐を幾枝にも割いていかないと。 既存のシステム利用しては、見えた先でどん詰まり。 猿真似では、スケールが小さくなるばかりだということ。 自…

喝采もリズム

雨の気配する曇天…とはいっても、好奇心挫くほどではない。 WEB上で躓いた音を確かめに出掛ける、3月23日。 些か渋っているのは懐不如意だからで、まずは音盤処分して軍資金調達。 それを得た端から再びにレコード買って崩してしまう体たらく。 手にしたの…

根茎

すぐそばで海が黒い水面を見せているからか、やけに暗く感じる横浜の夜。 蛍光灯明滅する展示/ライブに備えては、絶好の夜かな。 2月16日BankART StudioNYK ホール、伊東篤宏“SOUND & OBJECTS”。 各日異なるセットでの演奏伴う、2日間のみの贅沢な展示。 …

スノウ

前夜の予報が外れるよう願うも、そうそう上手くはいかず、明けて大雪の4日。 雨風に泣かされることはあっても、雪に阻まれるのは何年振りだろう。 北欧からの来訪者に会いに行くのだから似合いの風景かと、覚悟決めて出掛ける。 さすがに駅まで自転車でとは…

雪は降る日を選ばない

景色にどこか焦がれながら、実際に雪に降られるのは危ぶむちぐはぐ。 なんのことはない、天気予報は外れて保ちそうな空。 予定通りに出掛ける21日。 年末に目を付けていたNAUXのアルバム入手に、吉祥寺の中古盤店を周って。 モノクロの明暗の中にフェンスの…

買物帳

用事のいずれもに綴りは纏わるもので、それこれ片付けるだけで億劫になってしまう。 結果、滞るのがここ。 凝りを解すように文字が紡げないものか。 今はまず、記憶を解かなければならないのだけれど。 10月31日。 会場が美容院とあって、不定な閉店時間を待…

触れるもの皆、塵芥と崩れ去る

時折、文章が継げなくなる。 必要のあるやなしに限らず、紙の上、画面の上に次の文句が置けない。 元より言葉が、産まれてからこの方、身に集めてきたものだから、離れることもあるんだろう。 うん、遅々たる更新の言い訳のようにも聞こえるだろう。 10月4…

軋轢を踏んで登る

11日。 小出由紀子事務所、オズヴァルド・チルトナー追悼展。 広い空間ではないけれども、対面にぽつりぽつりと2点のみ。 どれだけ描くことに執着があったか判断付かないドローイングが、描き続けられてきた中で定点観測とも映る。 作品集の繰る頁が、天候…

遊園地まで徒歩何分?

7日。 自転車で行ける距離に展示があるというのは、それだけでも嬉しい。 他にも自転車で行ければと思うのが、輸入/中古レコード店、ライブ・スペース、美術館…あるにはあるのだろうけれど、望み始めたら際限がない。 茅ヶ崎kalokalo house、ナスマサタカ“…

点線

放した犬の帰趨を気にしたところで、仕方がない。 カード形式の図鑑の一葉を引き抜いたかの仕上がりに気圧されて、何につけてもフライヤー撒き。 実際のところの目的は、仕上がった額装の受け取りに出掛ける8月7日。 まずはデザインしてくれたgift_labに感…

漂着

7月30日。 制作に籠る毎日が続いていると、たまの外出の機会に、つい予定あれこれ連ねてしまう。 肝心の用事は、額装の発注に六本木。 展示では拵えることもなくそのまま作品掲げることが殆どなのだけれど、仕様選ぶ楽しさに、なんでも縁に収めてみたくもな…

顛末観光

既に出ている結果へ向かって、経過を辿り直すのは儚い。 が、それも自分の日記不精ゆえのこと。 7月12日。 メールでは既にイベント告知発信しているが、フライヤーの刷り上りはこの日。 ちょうど作品制作に素材仕入れの必要もあって、早速にも取りに出掛け…

チャンス・オペレーション練習帖

文面は後日…。

高架下揺籃

11日。 電車の着いた席の隣で、イアホン共有する二人組の会話。 一方が他方の趣味に興味覚えてのことらしい。 聴こえたのがヒップホップで、君は歌詞を追っているのか、音をなのかと粘っている。 ‘趣味じゃねぇな’。 ‘あっ、そう’。 …で済む話だろうに。 貯…

ハードル走

調子の上がらない5月を暗雲と決め付け、抜き去る駆け足。 5月27日。 久々出会うN.Y.在住のsawakoさん目当てに、宮城から出てきていた友人と向かうは、川縁に間口を開いたカフェ。 combine、“カフェイン・チルアウト Vol.13”。 入場早々に見付けてもらい、…

好奇針

13日。 さして距離もなかったはずと、1つ先の鎌倉駅で降りて、目的地のある北鎌倉までぶらぶら歩いて戻ることにする。 日曜の観光地の賑わい…一歩脇道に逸れれば疎らになる、それまでの。 この頃でも、ウグイスの声が散々に聞こえる。 向かうは葉祥明美術館…