2013-01-01から1年間の記事一覧

イベント案内

ざわめきが徐々に凪ぐ季節。 電車乗り継いで制作に通っています。 描いている瞬々も新たな層を成すだろうか…暮らし過ごしてきた人の時間が堆積する建物に/一夜の宴に。 夕からはIL GRANDE SILENZIOも鳴らす11月9日、タイツブランドtokone一周年イベントでの…

SUZANNE JUNKIN – Meditation On The Psalms Sung By Suzanne Junkin Playing The Mandolin(LP '75)米?

表のみ刷られたジャケットにプレスの良くない盤…いかにも私家版な体裁に収められるは、お決まりに神を讃えるフォークソング。 けれど、雨垂れのように訥々と鳴るマンドリンを背景に唄うあまりに可憐な少女の声が、音の周りのよしなしを消してしまう。 ささや…

イベント案内

夏の失速に乗じて、 響きとの再会遇し鳴らしに出掛けます。 ぐるり巡る時間にも季節があるなら、実り兆す時季か訪れて確かめてもらえたら幸い。 ■ 2013年9月21日(土) 【strings of life -latin-】at gallery SEPTIMA IL GRANDE SILENZIO(小川敦生+佐藤実) …

ジャック・ヴァシェ - 戦場からの手紙(夢魔社/松村書刊)

読み終えたものの、なんだろうこれは。 三分の一をブルトンによる序文が占めていて、残る殆どが書簡、創作はいずれも見開きで収まる2篇のみ。 ブルトンに未だ興味持ったことがない身ながら手に取ったのは、ジャリの『超男性』巻末解説にデュシャン、ピカビ…

ジュリアン・グラック - シルトの岸辺(集英社)

読み通せるのか危惧するほど修辞に修辞を重ねた息の長い文体が、長らくの興味を躊躇させていたジュリアン・グラック。 なんのことはない、いざ本繰れば手もなくその言葉の叢に溺れている。 結果、頁尽きるのを惜しむように読み終えた『シルトの岸辺』。 仕官…

展示案内

机/作業台のそばを離れることの出来ない作り手を尻目に、拵えものは旅にある。 そうか、あれは岡山の旅館に長逗留しているのか。 生者も死者も移動する季節にどんな仲間、景色、視線との出遇いがあるのか羨ましく想いつつ。 見掛けたら、年経た姿の無事を知…

イベント案内

この夏のこの日この場所に留め置かれる音。 今はまだ見えず、振り返る頃にはもう届かない。 三組三様に鳴らすこの機を成しに足運んでもらえたら幸い。 ■ 2013年8月12日(月) 【Cocoon vol.7】at 喫茶茶会記 Motoko Kikkawa+Takashi Masubuchi http://vimeo.c…

展示案内

両の手に持てど宙を舞うとはいかず、せいぜいの羽撃きが風揺らすばかりの団扇。 蒼穹に落ちることはよもやなく、されど夏の陽を涼に砕いてみせんと、 揃いも揃った作家32名。 僕も助勢とばかり仕り、いざ羽撃かん。 * 各人趣向凝らして仕立てた団扇集う展示…

イベント案内

うちの前の通りは市境でもある。 国境もそのようなものとして、例えば部屋の真ん中を突っ切っていたらと考えてみる。 寝返りを打って越える境界線。 手を伸ばして触れる身体は異邦のもの。 掌に侵犯する温度、感触。 右手からしたら、左手は既にして遥かに遠…

石鹸

雪の結晶みたいに、大きなものことの片々を成しているかもしれない、消えてしまうかたち。 出会いなんかも、そういうものでしょう。 忘れていたいつかの遭遇が現在を兆していたかもしれない。 消えてしまったものの在る無しは、人の決めること。 原美術館ザ…

VERA GRAY / DAPHNE ORAM – Listen, Move Dance(LP EMI Records '62)英

グラム売りの菓子が良いなと思うのは、飴玉の一粒一粒であれば、誰かの保証に頼ることなく、思う存分自分の物差しを試みることが出来るから。 そうそう、子供の頃の駄菓子屋での小さな小さな買い物が、自分の骨子見付ける手掛かりにもなっているだろう。 音…

ヴェニアミン・カヴェーリン - 師匠たちと弟子たち(月刊ペン社)

芝居上演する人形遣いの顛末を語る作家の所作を綴る…ロシアの作家だからという訳じゃないが、マトリョーシカめいて入れ子状に世界開いていく幻想短編集。 ややこしさ増すことに、人形と登場人物が擦り返られたり、あろうことか作中に乗り込んだ作家の行動が…

H・ミショー - 魔法の国にて(青土社)

季節区切るように風邪っ引き。 出掛ける予定潰れるに比例して進む読書…それだからか手にした架空旅行記。 魔法の国といっても、起こる不思議の殆どが目には映らない。 景色に描けるのは、獣が放たれ、侵入し難い荒涼とした街址…まるで内紛下にある国家の寓意…

P. LEMEL / E. MARVING – Aquasun(LP Sylvester Music '76)英

ライブラリ/放送用音源でありながらミステリアスな揺らぎに満ちた一枚。 どこまで意図したか分からなくなる控えめなエコー操作が不思議ではあるけれど、A面の尾を引くフルート独奏では得る印象は一種の条件反射かもしれない。 けれどB面の前では、印象の手札…

FAMOUS ACTORS FROM OUT OF TOWN – Fa3574(cass '86)米

ドラマーと言われれば僕の十指には必ず上がるPippin Barnett。 仮想トラッド奏でる多国籍アンサンブルNIMALのアルバムで遭遇して以来、ORTHOTONICSを始め、CURLEW、HALF JAPANESEに垣間見る寄る辺ない土地への憧れは、この人の散らばる響きとタイトなリズム…

シュペルヴィエル - 海に住む少女(光文社古典新訳文庫)

『カシオペアのΨ』から架空の土地巡る旅行記で読み繋ごうとアンリ・ミショーの本を注文するも、届くまでの間を交流のあったというシュペンヴィエルの短編集で塞いでいる。 多くの作で水面の向こうに潜む儚い存在。 水底のイメージから、頭の隅で映画『狩人の…

C・I・ドフォントネー - カシオペアのΨ(国書刊行会)

C・I・ドフォントネー『カシオペアのΨ』読了。 19世紀半ばに綴られた、異星の年代記。 プリズムの分光作用を見るように煌く風土を舞台にしながら、語られるのは理想郷ではない。 どこか寓意とも覚える要素を与えて、顕微鏡で覗き込むように辿る、物語の成長…

イベント案内

降るように瞬く知覚を、選択し構成脚色して世界は認識される。 つまるところ、世界が与える点としての情報が生む波紋が景色を仕立てる。 僕らが訥々と差し出す画や音から、あなたはどんな世界像を描くだろう。 捉えようとすれば、再び点に集束する景色。 * …

ルネ・クルヴェル - ぼくの肉体とぼく(雪華社)

ルネ・クルヴェル『ぼくの肉体とぼく』読了。 個を峻別する決意と、他に誘われる弱さの間を、螺旋描くかのようにうだうだと彷徨う言葉。 著者に捧げられたコルタサルの短編を経由していて良かった。 物語の中にあるように世界に所属する感覚を失ってのことな…

出展案内

アートフェア東京、先の個展での連作『animation』から4点出展します。 冬の空間の欠片、異なる光の下で新たな景色へと枝葉伸ばせればこれ幸い。 BASE GALLERYのブースにて。 ■ 2013年3月22日(金)11:00-21:00、23日(土)11:00-20:00、24日(日)10:30-17:00 …

コルタサル - 遊戯の終わり(岩波文庫)

フリオ・コルタサルの短編集『遊戯の終わり』読了。 あらすじだけ伝えるとありきたりの怪奇譚、変身譚とも取られかねないようにも思うが、一葉のタペストリーに収めようとするかに異なる場所、時間、意識をズルズルと一連なりに繋げてしまう語りに驚嘆させら…

個展案内

事象のあらましは目撃者が組み立てる。 認識した像から像への変容はあなたの目の中にしかない。 全ては連続する画の束。 animation。 あなたにしか立てない視座。 ■ 2012年12月15日(土) - 2013年2月8日(金) 小川敦生 展 【animation】 at BASE GALLERY 11:…

イベント案内

今朝の一面の雪は、 それぞれに複雑な形象を持つ結晶の集積であるにも拘らず、 景色の余白とも映る。 僕の訥々とした爪弾きですら、積み上げていけばいつか「聞こえない」に近付くのだろうか。 * それぞれに異なる系での繋がり見付けられそうな出演陣。 こ…

迎春

a happy new year !!!