TULLI LUM – Tulli Lum(CD Viljandi FolkMusic Festival ‘00)エストニア

エストニアのフォークロックバンドJUSTAMENT、JAAARメンバーらによるユニット。普段演っているバンドの方をネットで確認してみる限りでは…アメリカのカントリー歌手が吹かすリーダー風を見て「おらの郷の節でも音頭取ってみんべぇ」と始めたんじゃないかと想…

NOSEFLUTES – Several Young Men Ignite Hardboard Stump(LP Reflex Records ‘86)英

Roger Turnerが来日していたと聞いて、ドラムを得物とした即興演奏家とは承知しているけれど、さてどんな仕事をしていた人だったか…。 調べてみると、なんとNoseflutesの1stでも叩いていた。 Captain BeefheartからTalking Headsへの道を辿る内に迷子になっ…

QUATTRO STAGIONI - Kneipenlieder(LP Pan '81)瑞

プログレ喚起させるバンドロゴには期待しない方が良い。 スイスのトラッドバンドがご当地作家の詩に曲を付けるという大層コンテンポラリーなアルバムなのだが、大衆教養を宗とするレーベルの性格もあってか、情緒過多な旋律がざっくりとした録音で収められて…

WANDERFALK - Mir Sin Noch Lang Nit Ower Schmitz Backes(LP Autogram '80)独

ハヤブサの意の名前を持つ、ドイツのトラッドバンド。 とはいえ、笛やフィドルが柔らかく描く雛びた田舎風景から、鳥を叩き落すようなこのドッタンバッタンしたリズム隊はなんだ。 唐突に鳴り出すエレキも味方に、土地伝来の節回しじゃ唄えないとばかりの気…

LUIAERDSGILD - Dubbelzout(LP Crossroad '82)蘭

去年の今頃ぐらいからトラッドの音盤に当たりが多い。 いやまぁ、僕の興味の方位からといってしまえば済む話なんだけれど。 ともあれ、口火切ったのはこのオランダのレコードだったはず。 アコースティックな編成に朴訥とした男声、寄合調のコーラスから、伝…

NAUX – Light, Traps And Exploding Wires(LP Noise New York ‘82)米

ここのところ耳に入ってくるパンクに関する話題に触発されてか、今日レコード棚から引き出して聴いているのはこれ。 Richard Hell & The VoidoidsでRobert Quineと双頭ギターリスト務めたNaux(Ivan Julian)のソロアルバム。 切っ先鋭い音感はそのままに、け…

Domenico De Clario – Shaker Road: Quit Existing(CD Nonplace '02)独

目隠ししてのピアノ演奏と聞いて、ある境遇にある人やその状況を知る人は不謹慎と眉ひそめるかもしれないが、ここで意図されているのは内面世界への潜行だと思われる。 現にライナーにはチャクラ云々とまで書かれているし、精神世界へと意識駆るように湖畔の…

SUSO SAIZ – Confidencias(3×cass Grabaciones Accidentales '86)スペイン

ここ数年もりもり盛り上がる再評価に、気付けばCD作すら入手困難になっているスペインのギター奏者SUSO SAIZ。 しかし、慌てて手を伸ばして掴めたのが凝りに凝った意匠の一品だったのだから、世の中分からない。 写真添付された布装箱、カセットテープ3本の…

MICROWAVE – The World Is Still Revolving(LP Wolsey Records)英

まさか日本でこのレコードを見付けることになるとは…先日の大風で飛ばされてきたかな。 ジャケットからはミニマルな反復でも流れてきそうだけれど、然にあらず。 つんのめるようにして倍速でステップ踏むファンクで始まったかと思うと、続くはラスタ調。 そ…

ROLANDO CHIA - En Voz Baja(LP ‘84)メキシコ

メキシコで編纂された、Klimperei、Harald Sack Ziegler、Bene Gesserit…玩具の響きで揃えたかのコンピレーション盤があるのだけれど、手が届くような遭遇が無くて。 聴き親しんでいる欧州勢はさて置き、どうにも気になるのが現地メキシコからどんな音々で迎…

TOM SCHMIDT – Deer Park (LP Muse/Art '83)米

ここのところの愛聴盤、というか発見。 ジャケットのだぁれもいない景色に惹かれて手にしたら、これが大当たり。 どこの国の民族音楽が由来か…オリエンタルな旋律の輪郭をなぞって転がる音粒が、反復しながら気付くとラグタイムになっていたり再びに異邦人の…

SUZANNE JUNKIN – Meditation On The Psalms Sung By Suzanne Junkin Playing The Mandolin(LP '75)米?

表のみ刷られたジャケットにプレスの良くない盤…いかにも私家版な体裁に収められるは、お決まりに神を讃えるフォークソング。 けれど、雨垂れのように訥々と鳴るマンドリンを背景に唄うあまりに可憐な少女の声が、音の周りのよしなしを消してしまう。 ささや…

VERA GRAY / DAPHNE ORAM – Listen, Move Dance(LP EMI Records '62)英

グラム売りの菓子が良いなと思うのは、飴玉の一粒一粒であれば、誰かの保証に頼ることなく、思う存分自分の物差しを試みることが出来るから。 そうそう、子供の頃の駄菓子屋での小さな小さな買い物が、自分の骨子見付ける手掛かりにもなっているだろう。 音…

P. LEMEL / E. MARVING – Aquasun(LP Sylvester Music '76)英

ライブラリ/放送用音源でありながらミステリアスな揺らぎに満ちた一枚。 どこまで意図したか分からなくなる控えめなエコー操作が不思議ではあるけれど、A面の尾を引くフルート独奏では得る印象は一種の条件反射かもしれない。 けれどB面の前では、印象の手札…

FAMOUS ACTORS FROM OUT OF TOWN – Fa3574(cass '86)米

ドラマーと言われれば僕の十指には必ず上がるPippin Barnett。 仮想トラッド奏でる多国籍アンサンブルNIMALのアルバムで遭遇して以来、ORTHOTONICSを始め、CURLEW、HALF JAPANESEに垣間見る寄る辺ない土地への憧れは、この人の散らばる響きとタイトなリズム…

ALBERT LESKOWSKY – Music For The Instruments Of An Exhibition(lp '92?)ハンガリー

欲しかったレコードには違いないのだけれど、売り手からの‘喜べ、サイン入りだぞ!’とのコメントには素直に応えられるかどうか。 街に寄贈したコレクションで博物館(http://hangszergyujtemeny.hu/)が建ったほどの楽器蒐集家が作ったレコード。 もちろん演奏…

GEOFF X. ALEXANDER - Canodromo(cass '86)米

数年前に発掘再発されたROOTS OF MADNESSの71年リリースの音源は …端から鳴らした出会い頭の合奏が自壊するに任せる即興密儀…魅力的に響く時機もあったのだろうけれど、今の僕の興味にはない。 それが、メンバーのカセット作の中古に海外くんだりまで手を伸…

DON VOEGELI – Oscillations 1, 2, 3 & Vol.5(lp University of Wisconsin-Extension '72-'77)米

ウィスコンシン大学の電子音楽スタジオから放送用音源をしこたま送り出したDON VOEGELI。 昨年、思い掛けない値段でまとめて手に入ったOscillationsシリーズ。 77年の5枚目で打ち止めだとしたら、あとvol.4が揃えばコンプリートか。 vol.1からvol.4までをま…

遊園地まで徒歩何分?

7日。 自転車で行ける距離に展示があるというのは、それだけでも嬉しい。 他にも自転車で行ければと思うのが、輸入/中古レコード店、ライブ・スペース、美術館…あるにはあるのだろうけれど、望み始めたら際限がない。 茅ヶ崎kalokalo house、ナスマサタカ“…

TETSU INOUE+TAYLOR DEUPREE "Active/Freeze"

羽田野さんとタルコフスキーの映画“ストーカー”の話題になり、思い出したアルバム。 微妙にずれたそれぞれのフィールドで活躍中の2者、2000年のコラボレーション。 そうは言っても、聴き得た両者の他音源にここでの感覚を覚えたことはなかったのだから…

シンハー

昨日のCD屋のバーゲンで買ってきた、PART TIMERのアルバムを聴きながらこれを書いている。 パーカッションや女声をささやかに纏った、重心の低いギターの爪弾き。 愛らしい表情を見せるフォーク。 それがグリッチ、プロセシングで撹乱されているのだが、‘…

THE GALACTIC SYMPOSIUM "YMCA"

下手も才の内。 当初のプランを差し置いて、拙さゆえに自律していく演奏が、独自の音像を切り拓いていく。 (奏者自身も含めて?)誰の予期も覆せば、琴線に響くことがあっても不思議はないでしょう。 では質問。 お手本あってこその演奏なら? どこぞの素人に…

KENNETH HIGNEY "Attic Demonstration"

ライブ以降、部屋のBGMはJADフェア(苦しいか)開催中。 そこに違和なく紛れる1枚。 76年自主リリースのアシッドフォーク…と言うか。 マイペースを突き通して、逸脱し続ける唄。 慌てて追ったか、演奏まで綻びだす始末。 怪しい電子音/ファズも時折鳴る。 ロ…