QUATTRO STAGIONI - Kneipenlieder(LP Pan '81)瑞

linedrawing2017-11-19

プログレ喚起させるバンドロゴには期待しない方が良い。
スイスのトラッドバンドがご当地作家の詩に曲を付けるという大層コンテンポラリーなアルバムなのだが、大衆教養を宗とするレーベルの性格もあってか、情緒過多な旋律がざっくりとした録音で収められている。
まるでオーディオセットのおまけで付いてきた「世界の音楽」みたいなレコード。
がしかしだ、そんな印象も芝居掛かった男声に嗤われているようで、実を言うと書き割りくさい。
だいたい、AB両面にある手回しオルガンみたいな鳴りのオカリナ合奏は何なんだ。
どこの国の習俗模しているつもりなんだか。
チャルメラめいた木管楽器やバケツ叩いているかのパーカッションを梃子に、もっさりした録音の壁を抉じ開ければ…芝居の向こうの奇妙な祝祭が見えてくる。
調べてみれば、精神科医や創作楽器製作者(http://www.paul-ragaz.ch/fotosvideo.html)まで擁するメンバーからして怪しい。
廃品利用よろしく、これは古ヨーロッパの旋律片で拵えた発明品なのかも。
机上の空論上等、発明から創り出すなら自分たちの空中国家だろう。
さぁ、兼高かおるを呼んでこい。
https://youtu.be/5j9cqj0D-Sw