両の手に持てど宙を舞うとはいかず、せいぜいの羽撃きが風揺らすばかりの団扇。 蒼穹に落ちることはよもやなく、されど夏の陽を涼に砕いてみせんと、 揃いも揃った作家32名。 僕も助勢とばかり仕り、いざ羽撃かん。 * 各人趣向凝らして仕立てた団扇集う展示…
うちの前の通りは市境でもある。 国境もそのようなものとして、例えば部屋の真ん中を突っ切っていたらと考えてみる。 寝返りを打って越える境界線。 手を伸ばして触れる身体は異邦のもの。 掌に侵犯する温度、感触。 右手からしたら、左手は既にして遥かに遠…
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