2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧
芝居上演する人形遣いの顛末を語る作家の所作を綴る…ロシアの作家だからという訳じゃないが、マトリョーシカめいて入れ子状に世界開いていく幻想短編集。 ややこしさ増すことに、人形と登場人物が擦り返られたり、あろうことか作中に乗り込んだ作家の行動が…
季節区切るように風邪っ引き。 出掛ける予定潰れるに比例して進む読書…それだからか手にした架空旅行記。 魔法の国といっても、起こる不思議の殆どが目には映らない。 景色に描けるのは、獣が放たれ、侵入し難い荒涼とした街址…まるで内紛下にある国家の寓意…
ライブラリ/放送用音源でありながらミステリアスな揺らぎに満ちた一枚。 どこまで意図したか分からなくなる控えめなエコー操作が不思議ではあるけれど、A面の尾を引くフルート独奏では得る印象は一種の条件反射かもしれない。 けれどB面の前では、印象の手札…
ドラマーと言われれば僕の十指には必ず上がるPippin Barnett。 仮想トラッド奏でる多国籍アンサンブルNIMALのアルバムで遭遇して以来、ORTHOTONICSを始め、CURLEW、HALF JAPANESEに垣間見る寄る辺ない土地への憧れは、この人の散らばる響きとタイトなリズム…
『カシオペアのΨ』から架空の土地巡る旅行記で読み繋ごうとアンリ・ミショーの本を注文するも、届くまでの間を交流のあったというシュペンヴィエルの短編集で塞いでいる。 多くの作で水面の向こうに潜む儚い存在。 水底のイメージから、頭の隅で映画『狩人の…
C・I・ドフォントネー『カシオペアのΨ』読了。 19世紀半ばに綴られた、異星の年代記。 プリズムの分光作用を見るように煌く風土を舞台にしながら、語られるのは理想郷ではない。 どこか寓意とも覚える要素を与えて、顕微鏡で覗き込むように辿る、物語の成長…