シュペルヴィエル - 海に住む少女(光文社古典新訳文庫)

linedrawing2013-04-08

カシオペアのΨ』から架空の土地巡る旅行記で読み繋ごうとアンリ・ミショーの本を注文するも、届くまでの間を交流のあったというシュペンヴィエルの短編集で塞いでいる。
多くの作で水面の向こうに潜む儚い存在。
水底のイメージから、頭の隅で映画『狩人の夜』の場面に始まり連想の火が灯る。
触れれば波紋に霞む、天蓋の映しかもしれない孤独は、彼女/彼らの属性だろうか…煌く程に小さく閉じていく。
繋がりが断たれているからではなく、掌で作った小さな囲いで世界を測るのがひとりぽっち。
毀れる恐れ構わず光の欠片摘み上げる作者の語り…市川春子の漫画もこれだ…に手もなく中てられてる。