FAMOUS ACTORS FROM OUT OF TOWN – Fa3574(cass '86)米

ドラマーと言われれば僕の十指には必ず上がるPippin Barnett。
仮想トラッド奏でる多国籍アンサンブルNIMALのアルバムで遭遇して以来、ORTHOTONICSを始め、CURLEW、HALF JAPANESEに垣間見る寄る辺ない土地への憧れは、この人の散らばる響きとタイトなリズム感が加担していると思っている。
そのことを地で行くような越境的な活躍の一方、街に止まるかの活動もあり、そう簡単には見当は得られないのだけれど。
去年まさか手に入った、バンド名からして辺境に活動拠点を置くかのこのテープも、どんな流通で出回っていたことやら。
ジングルめいてキャッチーなフレーズを緩急付けて繰り返すキーボードを中心に、片棒担ぐマルチ奏者がギター、ベース、トランペットのいずれか加えたところでまだまだ薄っぺら。
こけつまろびつ駆ける行進へと仕立てるのは、HOUSE OF FREAKSのJohnny Hottと共に雪崩れ込むツインドラムだ。
どこへ向けての遠征か、バタバタと突っ走る様は小さなMAGMAとも錯覚しかねない。
留まるところで移動を想い、旅の空で家を想う…郷愁は常に異境にありか。
http://freemusicarchive.org/music/FAFOOT/FA3574/