P. LEMEL / E. MARVING – Aquasun(LP Sylvester Music '76)英

linedrawing2013-04-25

ライブラリ/放送用音源でありながらミステリアスな揺らぎに満ちた一枚。
どこまで意図したか分からなくなる控えめなエコー操作が不思議ではあるけれど、A面の尾を引くフルート独奏では得る印象は一種の条件反射かもしれない。
けれどB面の前では、印象の手札繰るどころか三半規管ごと取り落とす。
エレキに金属弦…ゆるりと層を成すギターが打つ波紋を、冷えたリリシズムの航軌が割り進み煌く。
ジャケにある通り、気の遠くなるような黄昏の景色。
アンビエント発祥と同軌する76年、壊れたオーディオセットに端緒見付けたイーノばかりでなく、こんな音がラジオやTVから流れていたかもしれないのだから、日々のあちこちに‘気付き’は用意されていたんだろうな。
深夜に脆弱なスピーカーで耳にしたら、電波の先にどんな世界を想う?
http://toysandtechniques.blogspot.jp/2011/07/aquasun.html