展示案内

距離や時間を計ること求められるこのご時世。 久々の個展に於いて、世界を自ら拵えた単位で刻み組み直してみます。 ■ 2021年11月3日(水) – 15日(月) 小川敦生 展【単位】at ギャラリーNEW新九郎 10:00 – 18:00(最終日16時迄) 9日(火)休廊 - ギャラリーNEW…

装画案内

アメリカから届けられた、夢見るような電脳音楽。fsksの1stフルアルバムに装画添えました。無料公開されているので、ぜひ耳に目にしてもらえたら。 ■ fsks『Floral Electronics』(Lost Frog Productions [LF111MP3])https://archive.org/details/lf111mp3 - …

演奏案内

秋山徹次さんにデュオで演奏する機会もらい、久々にバンジョー鳴らします。90分1曲の、砂漠で砂粒数えるような音楽になるかと。■2020年2月15日(土)【小川敦生 (バンジョー) + 秋山徹次 (ギター、北山トライアングル)】at 水道橋Ftarriopen. 19:30 start. 20…

催し案内

今、フィジカルで音楽を探るのは、自分の関心の外にも琴線鳴るところがあるのを求めてかもしれない。その日その場所、ディガーの思惑など無視して雑多なレコードが積まれる。僕/あなたの繰る手には、情報や知識と関わりなく音楽が触れるんだ。盲滅法に引き…

展示案内

小田原の街中で催されるアート・イベントに展示参加します。名物も多い土地、あれこれ目当てを掛け持ちして足延ばしてもらえましたら。■2019年11月23日(土)、24日(日)、30日(土)、12月1日(日)【小田原城町アートプロジェクト – 記憶のノゾキミ】小川敦生、柴…

フリードリヒ・グラウザー - 狂気の王国(作品社)

血痕も飛散する荒らされた部屋を残し、行方知れずとなったラントリゲン精神病院長。入院患者ピーターレンの、タイミング揃えたかの脱走との関連はあるのか。対象からの直接指名で、院長代理のラードゥナー博士の警護に当たるシュトゥーダー刑事。精神病院と…

TULLI LUM – Tulli Lum(CD Viljandi FolkMusic Festival ‘00)エストニア

エストニアのフォークロックバンドJUSTAMENT、JAAARメンバーらによるユニット。普段演っているバンドの方をネットで確認してみる限りでは…アメリカのカントリー歌手が吹かすリーダー風を見て「おらの郷の節でも音頭取ってみんべぇ」と始めたんじゃないかと想…

ヘレン・マクロイ - 暗い鏡の中に(創元推理文庫)

ネタに抵触せずに語ることなんて出来そうもないから、背表紙に手を伸ばしかけていた人は、こんな駄文で楽しみを薄めぬが良い。美術教師フォスティーナは、寮制の女子学院へ赴任してから5週間で唐突に学長から解雇を言い渡される。不審に思った同僚のドイツ…

催し案内

ここ数年断続的に試みている、輪として完成するドローイングを敢えて分断して提示すること。その試みを続けていると、線と連続する点とが、双方向に変容可能なかたちに思えてくる。映画の中の時間と、フィルムの一コマ一コマとのように。眼が恣意性を以って…

ピエール・シニアック – ウサギ料理は殺しの味(創元推理文庫)

労働も経済も工場で賄われている街。自己完結している土地のガス抜きとなるのは、百貨店と売春、そして場違いに内外まで味の知られたレストラン。81年フランス産ミステリといっても、些か単語に修正を加えれば、なんとまぁそのまま日本の郊外の現在にそっく…

ホレーニア – 白羊宮の火星(福武文庫)

ヴァルモーデンは、兵役の年季を済ませてしまおうと出頭した演習から数日もしない内に、詳細明かされぬまま実戦の内にいる。状況が戦争へと踏み込んでいく次第が、夢と現が侵犯し合う濃密なまでの予兆に満ちた世界として綴られていくのだけれど…。このヴァル…

展示案内

今更正体はバレバレだが、素顔曝しながら暗躍と嘯く怪盗やヒーローと近しい存在を狙って…’謎’の美術家トリオH!C!P!が初の展覧会を山梨で開催! これを見逃す手はないでしょ。■2019年2月16日(土) – 3月10日(日)【もものやま】H!C!P! 展 at 三彩洞11:00 - 18…

NOSEFLUTES – Several Young Men Ignite Hardboard Stump(LP Reflex Records ‘86)英

Roger Turnerが来日していたと聞いて、ドラムを得物とした即興演奏家とは承知しているけれど、さてどんな仕事をしていた人だったか…。 調べてみると、なんとNoseflutesの1stでも叩いていた。 Captain BeefheartからTalking Headsへの道を辿る内に迷子になっ…

展示案内

点と線のコンビネーションで空間は拍を持つだろうか。 青山通りにある家具店内ギャラリーで、市村しげのさんとの二人展。 新作旧作揃えて控えておりますゆえ、秋空の下お誘い合わせ出掛けてもらえましたら。 ■ 2018年10月19日(金) - 11月27日(火) 【RESONANC…

ミュノーナ - スフィンクス・ステーキ(未知谷)

同著者の邦訳を新たに2冊手に入れたので、頁切る前にこちらを再読。 ミュノーナは、哲学者ザロモ・フリートレンダーが創作物す時の筆名。 パウル・シェーアバルトと親交結び、タダイスト達の活動の傍にあったので、前触れめくイマジネーションとダダを繋ぐ…

田淵安一 - 西欧人の原像(人文書院)

田淵安一はフランスを拠点に活動した画家。 1951年、前衛集団コブラの運動終息の年に渡仏しているが、参加メンバーとは深く関わっていたようだ。 それもあってか、表象よりもマチエールの具体性を追う視点は共通しているように思える。 場所や時系列がスキッ…

P. アレシンスキー - 自在の輪(新潮社)

昨年の大規模展覧会を切っ掛けに、ようやっと積読から救い出せた一冊。 図版も多く、ブルトンからアポリネール、ジャコメッティ…そして自身の画業へと巡り、イメージの原型探索する愉しき随想。 その予測は大筋違わなかったのだけれど、これがなかなかに厄介…

イベント案内

時間線を現在という点に於いてのみ観察し得る僕らは、点から線への変容も、点と線の共謀も、本当のところは知らないでいるのかもしれない。 そんなことに思い巡らしながらDeAthAnovA氏のコンポーズをさらっています。 DeAthAnovA+小川敦生 = Bergamasqueで…

QUATTRO STAGIONI - Kneipenlieder(LP Pan '81)瑞

プログレ喚起させるバンドロゴには期待しない方が良い。 スイスのトラッドバンドがご当地作家の詩に曲を付けるという大層コンテンポラリーなアルバムなのだが、大衆教養を宗とするレーベルの性格もあってか、情緒過多な旋律がざっくりとした録音で収められて…

WANDERFALK - Mir Sin Noch Lang Nit Ower Schmitz Backes(LP Autogram '80)独

ハヤブサの意の名前を持つ、ドイツのトラッドバンド。 とはいえ、笛やフィドルが柔らかく描く雛びた田舎風景から、鳥を叩き落すようなこのドッタンバッタンしたリズム隊はなんだ。 唐突に鳴り出すエレキも味方に、土地伝来の節回しじゃ唄えないとばかりの気…

LUIAERDSGILD - Dubbelzout(LP Crossroad '82)蘭

去年の今頃ぐらいからトラッドの音盤に当たりが多い。 いやまぁ、僕の興味の方位からといってしまえば済む話なんだけれど。 ともあれ、口火切ったのはこのオランダのレコードだったはず。 アコースティックな編成に朴訥とした男声、寄合調のコーラスから、伝…

ライナーノーツ

Sweet Dreams Pressから発売されたオランダの美術家/音楽家 ダニエレ・ルメールさんのCDにライナーノーツを寄せました。 ルチア・パメラを先達として連綿と続く、乙女語りの創想力。衣装に楽器玩具、オーナメントに書き割りで一杯のクローゼット奥に開く入口…

イベント案内

6月にお誘い頂いたイベント『御座敷ジャングル』に再びDJとして参加します。 音盤/電波鳴らす饗宴に誘われ、秋の夜長へと繰り出してもらえたら幸い。 月影揺らすは鈴か虫か惑わす…酔狂な選曲でお待ちしております。 ■ 2017年10月10日(火) 【OZASHIKI JUNGLE…

装画

カタリコトリとピアノから零れる遊戯めく旋律。 スピーカーからの再現が、窓から射す陽に、翳を散らしていく。 流れているのは平野剛さんの新しいレコード。 ついに発売されました。 ジャケットに僕の作品添えて、ディスクユニオン池袋店、フクモリ万世橋店…

プレヴェール - のんぶらり島(牧神社)

『天井桟敷の人々』の脚本で知られるジャック・プレヴェールの仕事にシュルレアリスムの血統求めたら、辿り着いたのは童話。 2冊の絵本を合冊にしたもので、後半の『おとなしくない子のための童話』は別訳も存在するのだけれど…この封筒模した装丁が欲しか…

モラヴィア - 薔薇とハナムグリ-シュルレアリスム・風刺短篇集(光文社古典新訳文庫)

どうにも性愛の臭いキツいイメージがあったモラヴィアの小説、こうも突飛な世界紡ぐ作品群があったとは。 いや、国書刊行会から出ていた『現代イタリア幻想短篇集』で内2篇は読んでいたのに、別の作家が物したものと記憶していたのだからどうしようもない。…

展示案内

僕の『余白のための試論』は、期待していたのに中身が入っていなかった菓子折り/その期待ゆえに中身に気付かなかった菓子折り…を意識して作りました。 書物にも往々にしてあることと考えつつ。 きっとそれぞれがそれぞれに思惑封じた箱が居並ぶ展覧会。 神戸…

イベント案内

21日は、sorto&nodoによる音のご馳走に、箸休めとばかり幕間に選曲します。 夏の食事に箸休めとくれば…冬瓜でしょうか。 冬瓜のような味わい目指して、試し試し曲を並べています。 ■ 2017年7月21日(金) 【sorto&nodo 最新作”彩雲”リリースライブ】at 六本木…

イベント案内

急なお声掛かりに、なんとも良い響きの名を持つイベントへDJとして参加します。 盆栽ジャングルに夏の湿った風を送るつもりの選曲で臨みますゆえ、些か早い暑気払いと洒落込んでもらえましたら。 ■ 2017年6月5日(月) 【御座敷ジャングル】at 32016 live. R…

ジョン・ブラックバーン - 小人たちがこわいので(創元推理文庫)

ナチス残党の影が見え隠れする工場が元凶と疑わしき、北アイルランドのとある河口汚染。 相談受けたノーベル賞医学者は、別荘の地主でもある工場親会社の航空機メーカー社長と面識があること、また奇妙な状況下で我が子を失ったことに思い悩まされながら、ウ…