GEOFF X. ALEXANDER - Canodromo(cass '86)米

linedrawing2012-06-19

数年前に発掘再発されたROOTS OF MADNESSの71年リリースの音源は
…端から鳴らした出会い頭の合奏が自壊するに任せる即興密儀…魅力的に響く時機もあったのだろうけれど、今の僕の興味にはない。
それが、メンバーのカセット作の中古に海外くんだりまで手を伸ばすとは、我ながらどういう料簡だろう。
目を惹いたのは、ファルフィッサ・オルガンのソロとの一文…正直、周辺情報は後になって気付いたくらい。
雑多な唸りを含む音色が好きなこともあるけれど、オルガンが弾き手の妄想吹き込む丁度良い入れ物になると思い込んでいる節が僕にはある。
ブレイクの切り返し鮮やかなバタバタいうドラムに乗って、オルガンがドライブする一曲目にしてから入手導いた勘は大当たり。
どころか、打楽器と鉄琴、笛と雄叫びが密林へと誘う二曲目に笑いが止まらない…まるで野卑なマーティン・デニー
ピアノ伴奏の巻舌唱歌の三曲目と続く頓智が拓く編成で、対象の曖昧な‘エキゾチック’描き鳴らす。
何処ともしれない/何処にもない異郷音楽の再現目指す歪な手捌きは、音は違っても、ダリウス・ミヨー等の近代の作曲家の試みに通じるのかも。
想像から自分の内に組み上げた国に異郷の響き求めるとは何ぞや。
エキゾとは外部の謂。
自分の住まう土地ですら知らない場所があるのに、自分の内にまだ外があるなんて。
興味のない場所にかまけている暇はない、旅の計画は一生賭けても潰えない。