THE GALACTIC SYMPOSIUM "YMCA"

linedrawing2006-08-26

下手も才の内。
当初のプランを差し置いて、拙さゆえに自律していく演奏が、独自の音像を切り拓いていく。
(奏者自身も含めて?)誰の予期も覆せば、琴線に響くことがあっても不思議はないでしょう。
では質問。
お手本あってこその演奏なら?
どこぞの素人によるロック名曲選を好んで聴いてみたいか…という話。


‘YMCA’、‘Hey Jude’、‘Money’に‘House Of The Rising Sun’…あまりにベタな選曲。
それを、Vo+G+B+Dr+Key+Saxの編成がいじましくもオリジナル・アレンジに忠実たろうと、グラグラなぞっていく。
結果は大惨事。
ビートルズも、ヴィレッジ・ピープルまでもが、ジャーマンロックか集団即興とでも言うべきものに変化。
耳は予期していなかった逆サイドに嵌って離れられない。
ジョン・ピールが好んで掛けていた79年リリースの1枚切りのEPで知られるUK DIYパンク。
…パンク?そんな意識があるのやら。
誰もが、バンドの思惑の外で引っ掛かっている。


ところで、僕の手許にあるのは、おそらくは海賊盤であるところの再発LP。
そう、唯一のリリース音源はEPであるはずが、LP。
インナーに記された発掘の経緯も、メンバーの関わらぬところの話であるよう。
とことん、バンドは蚊帳の外。
検索掛けたところで奏者の姿が杳として現れないのは、当人達にとってはやはり恥だったのか。


(LOW DOWN KIDS LDK-LP12)