NAUX – Light, Traps And Exploding Wires(LP Noise New York ‘82)米

linedrawing2016-03-21

ここのところ耳に入ってくるパンクに関する話題に触発されてか、今日レコード棚から引き出して聴いているのはこれ。
Richard Hell & The VoidoidsでRobert Quineと双頭ギターリスト務めたNaux(Ivan Julian)のソロアルバム。
切っ先鋭い音感はそのままに、けれど仕上がりはどちらかといえばTalking Headsな、歪んだ骨格のみで立ち上がるポップ。
シンプルな作りにシンセ、ミニマル、エスノ…と一曲一曲実験工作凝らすのも一緒か。
ただ、Talking Headsが採集に励んだ結果であるとすれば、こちらはどうにも身の内の混沌から奇異が滲み出た感がある。
ゲスト奏者もSussan Deyhim & Richard HorowitzからDougie Bowne、China Shopのメンバー、もちろんのRobert Quineまで。
まるで誰かがNYパンクやNo Waveの残滓に夢想したかのようなレコード。
ここまでの内容にしてあまり知られていないのは、そのメタルクロームの冥い響きといい、本当に未だ目覚めぬ誰かの夢なのかもしれない。
世に数多ある音楽の僅かな部分しか知らぬままに誰もが理想の響きを求めているのだから、全ての音楽がそうと言ってしまえばそうなのかもしれないけれど。
ちなみに今時気にする人もいないかもしれないが、リリースしたNoise New YorkはShimmy Discの前身レーベル(というか、後にKramerがオーナーとなるスタジオ)だったりします。
https://youtu.be/CiN6SI28AKI