ルネ・クルヴェル - ぼくの肉体とぼく(雪華社)

linedrawing2013-03-12

ルネ・クルヴェル『ぼくの肉体とぼく』読了。
個を峻別する決意と、他に誘われる弱さの間を、螺旋描くかのようにうだうだと彷徨う言葉。
著者に捧げられたコルタサルの短編を経由していて良かった。
物語の中にあるように世界に所属する感覚を失ってのことなら、どこにあっても迷うことが実験であり冒険にもなるだろう。
分解して行くような手捌きの、言葉、時間への懐疑にも惹かれる。
死を掠めてまでも孤独を精製する濾過。