スノウ

linedrawing2008-02-11

前夜の予報が外れるよう願うも、そうそう上手くはいかず、明けて大雪の4日。
雨風に泣かされることはあっても、雪に阻まれるのは何年振りだろう。
北欧からの来訪者に会いに行くのだから似合いの風景かと、覚悟決めて出掛ける。
さすがに駅まで自転車でとはいかなかったけれど、ありがたいことに特急運休のみの交通状況。
予定通りに着く六本木Super DeluxeSTEN SANDELL TRIO来日公演。
開演前に約束していたのは、スウェーデンでレーベルHapnaを主宰し自身でもTAPEなるグループを率いる、ベースのJOHAN BERTHLING。
懸案だった計画をこの機に推し進めようと話す。
言語の壁に届かぬところは、会場に見付けたテニスコーツの植野隆司さんを捉まえて。
お陰で助かりました。
開演時間が迫りJOHANがメンバーの許に戻った後も、音楽の姿の話を続ける。
気不味い音の立ち現れが、実のところ貴重…など。
聞かせてもらえたそもそものJOHANとの遭遇話も、繋がるところは繋がるべくして針穴をも通るのかと印象深かった。
嬉しくも、そのままゲスト扱いでライブを観せてもらえることに。
出だしこそアンプの調整からアコースティックベースの胴鳴りが止まなかったりと手古摺っているようにも見えたが、歯車が合い始めれば、グループ名の所在を不思議に思うほどリズム隊がガリガリと構造を駆動させていく。
抑え込むようにしてベースが底に作る起伏を、見栄こそ乱れ打ちながら伸びていくPAAL NILSSEN-LOVEのドラムのラインが縫う。
だからといって、ピアノに声、サンプラーまで駆使するSTEN SANDELLが背景に下がっているのかといえば、そうでもない。
ただ、いずれの発音もトリガーを引くようであって、ピアニストとは呼べそうにはない。
それこそ機械から弾かれるように鳴るのに、落差が生じる音色が面白い。
帰路を慮って、終盤に掛けてのアンサンブルのうねりに攫われながらも、アンコールを待たずして表に出る。
急ぎ列車に乗るも、着いた駅に最終のバスはなく、結局は既に解けた雪の道を徒歩。
最後まで観てくれば良かったと思いながら。


逃れられぬ雪の業に‘雨男’ならぬ‘雪男’なる言葉も浮かぶが、いや、白いもじゃもじゃじゃなく。
DJ仕事に赴く9日。
西麻布Bullet's、“Night Tide”。
開演前こそ、ツアー出立前のCOMMUNE DISCの鈴木さんがCD渡しに寄ってくれたりとワサワサするも、やはり天候に泣かされてか、なかなか客足が伸びない。
ただ、それであっての居心地もあるのだから、機とは難しい。
天然も実験もハードコアもアニソンも自作も一つところに封じてガツンガツンに鳴らすKUKNACKEさんは、さすが自在に空間に跳ねている。
僕も、自分ながら満足の行く出来。
曲を掛けるのを、なんだかとても愉しんでた。
音の後を興味が追うのが見えたのかな。
終ってKUKNACKEさんらと、なぜかジャンクフード/日本のインディーズ話。
これも、雪のひっそりの下での楽しみかな。
明け方は、僅かに残った雪のせいばかりでなく、白い。