毛羽立ち

linedrawing2007-02-20

15日は茅場町から。
川を渡ってGallery≠Gallery片岡雪子 展。
朽ちていくものへの偏愛こそ惹かれるのに、前に眼にした時までに、作品の目指すところが創作であるのか再現であるのか戸惑うようにもなっていた。
そんな勝手な思いも払拭される空間。
更なる時間の経過を待つよう設えられたかの前室に、穿たれた黒い画面がポツンと佇む。
自然光の入る奥の部屋に並ぶのは、窓から見える緑の川面の照り返し。
風景に曝され揺らいでいる。
ギャラリー・オーナーとの‘視線の導くところ’の話にも引き込まれ、すっかりの長居。
この日の天候と相俟って、心地好く印象に収まる。


気付けば、他に寄ろうと予定していた時間まで費やして、もう約束の時刻。
3月に青山スパイラルで行われる帯留展の出展作納品。
用件は手早く済み、互いを量るかに閑話。
以前から思うことだけれど、何らかの形で工芸に携わる人は、感覚に親しく触れているようにも。
その考えは、ここまで来れば寄らずにはいられない場所では、確実に。


東青山
いつものように店頭に立っているスタッフに挨拶。
匂い、質感、印象…こうも些細な話題に費やされているのかと思うほどに、愉しく時間が過ぎていく。
先の考えは間違え。
覚えているのは、個々人の魅力。


16日は新宿から。
昨年から老舗の呉服屋が始めた‘白瀧文化祭’なる催しの、準備会議。
見馴れた顔での集まりからか、無難な着地点はなんとか見付かる。
が、埒が明かないような気は晴れない。


ようやっとに先のROBA ROBA cafeでの展示の印象を伝えながら、tattakaさん、泉沢さんと向かうphotographer's gallery
倉重光則 展。
以前に眼にした時の衝撃はそのままに、この空間に応じた形態と光を放っている。
白いネオン管が、白壁を益々濃くするようであって…。
ただ、旧作である野外作品と、それが存在していたロケーションの現在の記録は、更に画面を眺めやるここからの酷薄な時間に曝されている気がする。


代官山gift_labにて、3月に催すイベントの打ち合わせ。
日は21、機材、ゲスト交渉は偶然現れた者が…と、次々ピースが填まっていく。
それぞれが自らの興味、関心で応えてくれているからか。
昼の晴れない気持ちに耳打ちしてやりたくもなるが、ここで言うはずるいこと。