筆跡/等高線

linedrawing2006-10-19

探している数枚がために、機会ある毎に専門店、コーナー仕切りに分け入る、ブラックメタル
今日にしてようやっと1枚見出すも、バーゲン箱中に。
一向に見付からない他のものにしても、既にタイミングは逃がしているんだろうな。
DEAD REPTILE SHRINE、URFAUST…そのサウンドに準えて、擦れ縒れた音に誘われ森を彷徨っているんだろう。
CD棚にその背を目撃したら、こちらに合図を!


小出由紀子事務所、ハラルト・シュトファース“手紙”展。
手で自在に描かれた罫線は、稜線のよう。
キッチリとした筆致で居並ぶ文字は、家々。
僕には読めないドイツ語だけに、イメージは益々。
後に文面は日々の記録・予定と聞けば、その景色の中に作者が暮らすと思わざるを得ない。


どちらの駅が最寄とも言い難い、中間地点を目指しとぼとぼと。
NO.12 GALLERY“ZINE LIBRARY”展。
薄い張り出しに無数のジンが並べられ、手に取ったが最後、再現を問われる空間。
元に戻せたと安心しても、しばらくしてのバラバラいう音に驚かされる。
ここに多くのジンを提供しているスイスの出版社、NIEVES BOOKSオーナーが現れると聞き付け、自分の冊子も眼にしてもらえたら…と足を運ぶ辺り、我ながらあざとい。
穏やかそうな人柄に助けられ無事手渡せるも、英語すらも苦手のこちらの耳・口。
向こうの話す言葉も、こちらの好い加減な単語の羅列も、きっと互いに景色を描いていたのではと解していたはず。
それでも、手作業を信じる手で握手。


日が暮れるのが早い。
もうから暗くなって、到着するappel
開催中は、原美樹子“Humoresque”展。
何気ない所作から、一瞬一瞬を切り取ってきた写真作品。
しかし、ここから元の動作を逆算することは叶わない。
軽やかに映る色彩が、連続を阻んでいる。
この日が展示ばかりでなく、ギャラリーにとっても最終日。
オーナーと…既存のシステムに異があるならば、自らシステムを組み上げよう…等の話題。
解体/再生の区切りの日、幕を惜しんでか賑やかな来場者。
帰宅する足の背後で、粛々と灯が遠くなる。