収穫祭

linedrawing2006-11-13

11日。
出鼻挫く強い雨に、予定端折って。
翌日の手土産の用意に、学芸大の洋菓子店。
さすがの老舗からか、広いフロアに引っ切りなしの人足。
注文・会計に待ちながらも、皆表情が曇らないのは甘味の力か。
駅前の書店で漫画家 田中六大主宰のミニコミを見付け、ほっこりとした感触に惹かれ購入。
気付けば、この商店街もなんだかほっこり…いや、雨が上がっている。


通い詰めているスペース、gift_labの1周年記念イベント。
ギッシリの溜まりで、見知った顔にはヤァヤァヤァ、紹介には手持ちの画で応える。
スタッフ卒業のレセプションが、嫁入りのよう。
それを区切りに徐々に潮は退き、ようやっとのライブ開始。
VOIMAにLENO、PC対決ながら両者共に季節に応えたかの情感。
ただ、システムを違えながらも、両者共が音響面で足を引っ張られていたのが勿体ない。
1音が別の音に影響を与えず発せられるのは、デジタルそもそもの良かれ悪しかれなれど、それにしたって空間が鳴らなかった。
遅れて到着のADAMさんから…フォーマットが固定されているPC演奏に向かっては、減点制の勝敗で判断するというのは…の提案。
映像を伴った前者が後半、ミステリアスに引っ張ったのに対して、展開の早い後者がそれ故に長く感じさせたので、鼻の差でVOIMAの勝ち…が僕ならの判定。
いずれにしても、時節押しての収穫祭。


帰りの電車内。
向かいの席に座る人の、あくびに溶け出すアイライン。
なんて危ういところに日常を置いているんだろ。


12日。
昨夜の就寝遅く、眠気掃ってCOMITIA 78へ。
贔屓の作家に会いに。
クマリネさんは、静逸な風景に現れる、微細な起伏を描くかのよう。
新作は、大きな出来事を捉えようとする挑戦か…しかし、ここでも沈静化する性質は不変。
各々が別の役割を持つ群島のような、鬱蒼と茂る森を描くイノセさん
今回は、愛らしいイラストを物するお友達を伴っての出展。
会場は1度ぐるり周った切りで、あとはこの2スペースを行ったり来たり。
おっと、ロボいぬの新作も買い忘れぬように。
ナンセンスの系譜にあるようで、これまた良いのです。
…と好きな作家ばかりを並べれば素敵なイベントのようにも聞こえるだろうけど、創作漫画と銘打ちながら、DIYの火は燻るばかりの気も。


帰りに覘く啓祐堂
山下陽子“花と果実の紋章”展に表れる驚くべきメタモルフォーゼは、刷り上ったばかりの“黄金の馬車”誌表紙にも。
自分も寄稿していることもあってか、その紙色が特別なもののように映る。
嬉しさ持て余して、長居の失礼。