森泉岳士 - 夜よる傍に(エンターブレイン)

linedrawing2014-08-28

読書に限った事ではないだろうけれど、偶々次に手にしたものへと内容がリンクしていくことがあるから面白い。
先に読み終えたユンガー『砂時計の書』での理想の時間が、今繰る頁の中で、主人公二人が各々違うタイミングを計りながらも支え合う夜明けに解けていく。
深更を彷徨う者に急ぐことはないと場を与える深夜喫茶の存在がまた魅力的。
絵自体が日の出日の入りに滲む夜のような漫画。
コマとコマの間に頁繰る者それぞれの時間が積もっていく。
内容と入れ子状にはなるけれど、いやこの感触こそが絵本だろう。