泣きべそかいていながら、恐怖ばかりを漁っている。
赤いのがいいだの、青いのがいいだの、ミドリが一等いちばん欲しいだの。
選んだところで懐寂しく買えるわけもなく。
猫を相手に愚痴こぼし、仕舞いにゃ苛めて逃げられる。
それで、頼まれたお使いはどうした。
待ちきれずに妹は、昨日の昼の弁当に付いていた、爪楊枝まで食っているぞ。
待ちきれずに祖母は、バス停留所待合室で、女優を夢見る孫娘のことを誰彼構わず吹聴しているぞ。
もう日が暮れる、18:00からの売り切りセールで惣菜せしめて帰らねば。
‘そう言うてめぇの一日は？’
