記憶埃

linedrawing2006-07-17

記憶が塵芥と化す前に書き付けねばと思えど、すでにして埃まみれ。
ではあっても、7月3日。
10月のイベントに向けて、詩人の木部与巴仁さん、音楽の大熊亘さん、桃梨のお二人と会談。
いずれに向かうか分からぬ流れが、それぞれの肩書きを‘かたり・おと・こえ・弦・せん’としたことで、パッと端緒が掴める。
この連なりこそが、きっと骨組みです。


夜は代々木のギャラリー千空間で、千夜トーク
陶芸家の兼藤忍さんと作曲家の藤枝守さんの対話。
手の仕事と嗜好偏向を思い、手許を見ざるを得ない。


翌7月4日。
夕からの用事の前に、チラシ撒きを兼ねてあちこち見て回る。
HB Gallery 櫻井乃梨子 展。
面と線の対応からか、刺繍を覚える。
Nadiffに顔を出し、フライヤー物色。
気になるチラシを当てに、その足で向かう 表参道画廊 浅羽昌二 展。
大当たり、それも、自分に展示宣伝目的があったことを恥じ入るほどに。
連続する透明板の中で、オレンジの瞳孔が開閉を繰り返す。
伴走して鳴る音階。
速度を司る振り子。
暗室の中を構成するは無機ばかりであるはずなのに、風通しの良さに愕然としてしばらく動けなかった。
これはヤバイです。
向かいの会場 MUSEE F 秋山将人 展の解体されたケーキとの対比も面白い。
タイトルに驚く擬似ケーキ。
秋山氏に薦められるがまま、void+ 宮嶋葉一 展。
影も消えるかと思うほど白く小さな空間に、ギュウと納めた更に白い画面、黒く太い線がのたくっている。
白く…白の中で、筆致・変化を追うのは楽しい。


この日の目的は、白金台にあるヘアーサロンProspectでの安斉将 展。
定休日を利用してのオープニング・パーティとあって、忍び込んで勝手に展覧会催している風が愉快痛快。
作品の半分程がこの日のみの掲示だと知って、まさしくだったと。
しこたま呑んで退場。
呑んでは忘れぬが、放っておけば掠れ消える記憶かな。