石鹸解体〜イベント案内

linedrawing2010-11-19

南北戦争後の混乱に乗じた名立たる強盗の中でも、彼は脱走の名手としても知られた。
あたかも趣味であるかの如く、捕まっては脱走を繰り返す。
それも、錠を破るのでも穴を掘るのでもなく、人手から牢から裁判所から刑場から、忽然と消えるのだった。
仕舞いには、窓もない鉄の箱に南京錠で封じられて護送される始末。
それでも裁判所についてみれば、やはりもぬけの空。
ただ、箱の蓋の縁に付いた血痕と中に書置きが。
‘お前らに不要な存在だから、俺はいつでも消えられる’。
(箱の中には何も残っておらず、この文句は彼の記した長編詩からの一節だとする説もある)。



今年の春に東京都現代美術館で催された“MOTアニュアル:装飾”展。
そこに出展した石鹸の作品を、現在開催中の個展“Miroir”会場で、
切り分け、希望者にオークションにてお分けします。
そうはいっても俎上に載るは作品の成れの果て。
競売は形ばかりで、1円なり10円なりで落札してもらえれば幸い。
記憶の欠片として欲する人も未見の人も、石鹸を確認しに足を運んでもらえましたら。
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2010年11月20日(土)
【cutter knife skating 解体】 at TRAUMARIS
19:00〜
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TRAUMARIS
渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F
http://traumaris.jp/space.html



どうぞよろしくです。